マンション専有部の給水管トラブルは誰の責任?
専有部内の配管からの水漏れは、漏水を起こした住戸の方に損害賠償責任が発生し、基本的には区分所有者である居住者の責任となります。
もちろん事故の時には、管理組合で加入している保険で被害住戸の原状回復工事を行うことになりますが、状況によっては保険ですべてをカバーできるとは限りません。何よりも水が使えなくなったり被害宅の住環境が毀損されることは、お金だけではない大きな問題となります。
事故の原因究明や内装復旧工事だけではなく、被害を受けた部屋の住民との示談交渉、物損賠償、保険手続きの対応には多くの時間がかかり精神的なストレスも覚悟しなくてはいけません。
なので専有部の水道管の更新工事は、それぞれの住民の責任で検討をしなくてはならないこととなります。
専有部の給水管更新工事で確認しなければいけないこととは?
専有部の給水管更新工事で、事前に確認しなくてはいけないことにはどのようなものがあるのでしょう?
まず、大枠として考えなければならないのが、次の3点です。
①壁・床・住設機器(台所、風呂等)など、工事をどこまで行うのか?
②工事の規模・内容により、管理組合・近隣住民への通達や合意形成ができているか?
③工事内容に合った適切な業者の選定ができたか?
そして、工事業者と詳細の確認事項としては次の6点があります。
①給水管だけでなく、排水管など他配管と同時施工をするか?
②復旧範囲と内容の費用が明確になっているか?
③工事計画に結露防止・適切な下地が施工されているか?
④配管の材料や配管系統は適切に計画されているか?
⑤仮設使用方法・排水利用の可否・在宅の要否などの生活と関わる注意点が確認できているか?
⑥スケジュールと内容の明確化が工事業者と共有できているか?
給水管更新はどれくらいの期間がかかり、どんな内容の工事になるの?
浴室と洗面所のリフォームの一例(※状況により工期・内容は異なります)
1日目
養生・解体・はつり
・洗面台を別の場所へ仮設置する場合もあります
・浴室は設置完了まで使用不可です
2日目
配管工事(給排水管更新)
3日目
浴室・洗面台設置
・設備機器の搬入・組み立て
・配管接続・電気工事作業等
4日目
内装工事
・内装下地・復旧
・内装仕上げ
5日目
引き渡しと説明
※これに、トイレと流し台を加え床下配管を更新する場合、作業を効率的に同時進行をすると仮定すればプラス2日(合計7日)の工期が想定されます。